マンションの耐用年数や坪単価は?代表的な構造と特徴を解説します

一般的な建築物の構造は木造(W造)・鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート造(RC造)の3つがあります。その中で3階建て以上のマンションに使用される構法(構造方法)は、鉄骨造(S造)か鉄筋コンクリート造(RC造)が多く採用されています。今回はそれぞれの構造の特徴について解説します。

  1. 代表的な構法
    ・鉄骨造(S造)
    鉄骨造には「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」があります。「軽量鉄骨造」はハウスメーカーに多く採用されている構法で、3階建てまでの比較的小規模なものが多いです。同じ規格の部材を工場生産することにより安定した品質を確保し、大量生産によるスケールメリットもあります。ただ、国土交通大臣認定を受けた規格品であるため、制約条件が多くあり、特注対応がなかなか効きません。土地に合わせて既存の規格プランを配置してく設計にならざるを得ず、土地を最大限に活用できるプランとなる保証はありません。
    「重量鉄骨造」は後述する「法定耐用年数」の基準で構造となる鉄材の肉厚が4mm以上のものを言います。高層ビルにも多く採用される構法で、鉄骨の柱と梁を組み合わせて骨組みを造り、比較的自由なプランを実現できます。ただ、多くの部品の組み合わせで成り立つ建物のため、揺れの大きさや振動の伝わりやすさ、気密性の低さ等のデメリットが出てきます。マンションに求められる居住性を実現するには、入念な設計と施工上の対策が必要であり、結果として高コストになりがちです。
    鉄筋コンクリート造(RC造)
    鉄筋コンクリート造は骨組みとなる鉄筋を配置した後に型枠を組み立て、コンクリートを現場で流し込み固める構法で、高い強度を誇ります。大規模・高層化にも対応可能で、その堅牢性から防災上にも優位であり、学校建築や公共建築にも多く採用されます。鉄筋コンクリート造には「壁式鉄筋コンクリート造」「RCラーメン構造」があります。「壁式鉄筋コンクリート造」は壁を厚くして柱と兼用し、箱型に建物を組み立てることで非常に頑強で密閉性の高い構造となります。その反面、構造上の弱点となる開口部の位置と大きさに制約が出てくることもあります。「RCラーメン構造」は鉄骨造と同様に鉄筋コンクリートの柱と梁で構造の骨組みを作る構法で、土地に合わせた自由なプランを実現できます。壁や床も構造と一緒にコンクリートで同時に流し固めることが多く、高い遮音性や気密性を実現できる非常に優れた構法です。
  2. 構法と坪単価の目安
    木造・・・¥60万~70万/坪
    軽量鉄骨造・・・¥60万~80万/坪
    重量鉄骨造・・・¥70万~90万/坪
    鉄筋コンクリート造・・・¥80万~/坪
    ※注 当方の考える目安です。クライアント様のお考えで修正ください。
  3. 法定耐用年数と減価償却
    長期に渡って使用する固定資産は、会計上の処理として国税庁が定める「法定耐用年数」の期間に渡って「減価償却費」を毎年計上します。
引用:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)
構造・用途 細目 耐用年数
木造・合成樹脂造のもの 事務所用のもの

24

店舗用・住宅用のもの

22

飲食店用のもの

20

旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの

17

工場用・倉庫用のもの(一般用)

15

鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの 事務所用のもの

50

住宅用のもの

47

飲食店用のもの  
 延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの

34

 その他のもの

41

旅館用・ホテル用のもの  
 延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの

31

 その他のもの

39

店舗用・病院用のもの

39

車庫用のもの

38

工場用・倉庫用のもの(一般用)

38

金属造のもの 事務所用のもの  
 骨格材の肉厚が、(以下同じ。)  
  4㎜を超えるもの

38

  3㎜を超え、4㎜以下のもの

30

  3㎜以下のもの

22

店舗用・住宅用のもの  
  4㎜を超えるもの

34

  3㎜を超え、4㎜以下のもの

27

  3㎜以下のもの

19

飲食店用・車庫用のもの  
  4㎜を超えるもの

31

  3㎜を超え、4㎜以下のもの

25

  3㎜以下のもの

19

旅館用・ホテル用・病院用のもの  
  4㎜を超えるもの

29

  3㎜を超え、4㎜以下のもの

24

  3㎜以下のもの

17

工場用・倉庫用のもの(一般用)  
  4㎜を超えるもの

31

  3㎜を超え、4㎜以下のもの

24

  3㎜以下のもの

17

 

「賃貸マンション」は「住宅」に該当し、法定耐用年数は整理すると下記のようになります。

木造・・・22
軽量鉄骨造・・・19年もしくは27
重量鉄骨造・・・34
鉄筋コンクリート造・・・47

このことからも、鉄筋コンクリート造の耐久性がいかに優れているかが分かります。

事業投資として考える場合、必ずしも「建設費用の安い構法=投資採算の良い構法」ではありません。

(例)延床面積100坪の賃貸マンションを建設
【建設費】
木造・・・60×100坪=6000万円
軽量鉄骨造・・・70×100坪=7000万円
重量鉄骨造・・・80×100坪=8000万円
鉄筋コンクリート造・・・90×100坪=9000万円 

【年間の減価償却費】
木造・・・6000÷22年=272万円
軽量鉄骨造・・・7000÷27年=259万円
重量鉄骨造・・・8000÷34年=235万円
鉄筋コンクリート造・・・9000÷47年=191万円 

22年後の残存価値】
木造・・・0
軽量鉄骨造・・・1296万円
重量鉄骨造・・・2823万円
鉄筋コンクリート造・・・4787万円

単純計算ではありますが、鉄筋コンクリート造は長期間に渡って経費を計上できるとともに、資産価値が下がりにくく、将来の売却によるキャピタルゲインも見込める優れた構法と言えます。

水上建設では、土地の有効活用のご提案からRC注文住宅についてのアドバイスができます。ぜひ水上建設へご連絡ください。

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千葉県船橋市にあるコンクリート住宅専門の建設会社です。コンクリート住宅の魅力をお伝えします。注文住宅でもマンションでもコンクリート住宅に関することはお任せください。ホームページはこちらから→ https://mizu-kami.co.jp