資産活用や投資として賃貸マンションを建設するなら、出来るだけリスクを抑えつつ、最小の投資で最大の利益を得たいと誰もが考えます。そのためにはどんなことに注意して建設の計画を進める必要があるでしょうか。プランを比較するにあたって特に重視すべきポイントをお伝えします。
1.立地に応じた適切なターゲットとの選定
- 都市型
候補となる立地が交通利便性の高い都市部の立地であれば、駐車場が無くても客付けにはあまり困らないでしょう。主なターゲットとしては「単身者」となり、間取りはワンルーム(20㎡程度)もしくは1DK(30㎡程度)として部屋数を出来るだけ多く取ることが最も投資効果が高くなります。ワンルームマンションの特徴としては①部屋数を多く出来るため、面積効率が高い(=家賃収入が多くなる)②単身者が基本となるため入れ替わりが激しく、時期によっては空室率が高くなる③若者が多く居住マナーが悪く管理に手間が掛かりクレームも多い、等が挙げられます。
1階にはコンビニやドラッグストア等の小売系や飲食店系商業テナントの誘致を検討すべきでしょう。2階も商業テナントを検討すべきです。路面店である必要性が薄い学習塾や美容室、エステ系のテナントであれば十分に狙えます。商業テナントの賃貸契約は一般的に2年以上の長期契約となることが多く、ワンルームマンションの弱点である入れ替わりの激しさ(空室リスク)を補完してくれます。 - 郊外型
郊外の立地で賃貸マンションを検討するのであれば、ファミリー向けの間取りの部屋を優先的に取るようにすべきでしょう。イメージとしては30代の夫婦+未就学の子供1~2人です。2DK(50㎡程度)の間取りが理想です。ファミリー向けマンションの特徴としては、①安定した長期契約が見込める②落ち着いたファミリー層が中心となるため居住マナーが良く管理に手間が掛からない③余裕のある間取りでないと客付けに苦戦する(=面積効率が悪い)、等が挙げられます。また、鉄道駅の至近でない限りは敷地内駐車場が必須です。1部屋あたり1~2台を確保できる敷地余裕が必要となります。
2.建築計画の選定ポイント
- 建蔽率と容積率
建設可能な規模を決めるのが「建蔽率(けんぺいりつ)」と「容積率(ようせきりつ)」です。その土地の持つ可能性を最大限に引き出したプランになっているでしょうか。特に、都市部の立地においては敷地内駐車場を用意する必要性が少ないため、建蔽率を目一杯まで使用して計画することが基本になります。角地緩和・耐火建築物緩和等、各種の規制緩和措置もあります。土地の可能性を追求し、建蔽率と容積率の制限値ギリギリまで活用したプランを選定するべきでしょう。 - レンダブル比
「レンダブル比」とは、延べ床面積に対する賃貸可能面積の割合を言います。つまり、廊下や階段、エレベーター等の共用部分を除いた収益部分の面積の割合です。建設可能な面積を出来る限り有効活用して高収益化するためには、無駄なスペースを排除した効率的な計画としレンダブル比を向上させる必要があり、設計士の腕の見せどころです。賃貸マンションの場合の目安としては85~90%となりますが、ゆったりとした共用部で高級感を演出し、賃料単価を上げるためにあえてレンダブル比を下げる手法もあります。 - 付加価値
立地に応じて最適なターゲットを意識したプランを選定することが最も大事ですが、それだけでは長期に渡って安定した収益を生み出すことはできません。入居付けを良くし、長く居住していただくための付加価値として、以下のことにも注意を払いましょう。・外観
住宅に求められるものは「清潔感」と「安心感」です。奇をてらったデザインで目を引く必要はありませんが、外観の汚れは敬遠されます。吹付塗装やタイル等、経年劣化が目立ちにくい外装材を選定するようにしましょう。・防犯性能
可能であれば、共用部はオートロックで入居者しか入れないようにし、部外者の侵入を防ぐ計画としましょう。ポスティングが容易な建物も、入居者にとっては気分の良いものではありません。郵便受けの位置にも工夫が必要です。近年は宅配BOXの設置も一般的となっています。・クリンネス
ゴミ置き場の位置は衛生上・管理上適切でしょうか。悪臭の発生やカラス等の鳥害に遭わないよう配慮された区画とし、出来ればメインエントランスとは分けた位置としましょう。ゴミ出しの姿はあまり人に見られたくないものです。・外部施設
自転車の放置や迷惑駐車に悩まされないよう、駐輪場(できれば屋根付き)を設けましょう。外灯は夜間の防犯に有効であるだけでなく、自宅に帰ってきたという安心感を与えます。駐車場を設ける場合は、可能な限り幅2.5mを確保するようにし、駐車ラインは2重線とします。
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