「鉄筋コンクリートは寒い」は本当なのか?気密性の高さが快適につながらない理由

鉄筋コンクリートと木造建築はどちらが暖かいのでしょうか。コンクリートと木の材質の違いを見てみると、コンクリートは木よりも熱伝導率が高いです。
つまり熱を通しやすいので断熱性が低いといえます。さらに木は暖まりやすく冷めやすいですが、コンクリートは暖まりにくく、冷めやすいという素材の特徴があります。

このような素材の特徴があるので、寒さ対策のために断熱対策を行います。

RC住宅の寒さと暖かさ

実は、RCの一般住宅では、寒いという声はほとんど上がりません。マンションは築年数も様々です。数十年前に建築されたマンションで当時の断熱性能のままに住んでいると確かに寒いかもしれません。

しかし、昨今の一般住宅で断熱材を入れないことはまずあり得ません。毎日を快適にするために、断熱性能は多くの建築会社でこだわりをもっているポイントです。

断熱材の種類による効果の違い

断熱材には主にグラスウール、ロックウール、硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォームなどがあります。

硬質ウレタンフォーム

RCの家で断熱材として、もっとも使う機会が多いのは硬質ウレタンフォームです。硬質ウレタンフォームはポリイソシアネートとポリオールを主原料に発泡剤や触媒を混ぜて生成した物です。断熱材を建物の外側に張り付ける外断熱工法にも適した断熱材で、優れた断熱性を持ち、薄くても十分にその効果を発揮します。

グラスウール

グラスウールはリサイクルガラスなどを溶かし、細い繊維状に加工した軽い断熱材で、床や壁、天井など住宅のほとんどの部位に使用することができます。

安価である、シロアリの食害が無い、劣化しない、燃えず有毒ガスが発生しない、吸音性があるなどのメリットがあります。

ロックウール

ロックウールは鉄炉スラグや玄武岩などを高温で加工し、細い繊維状にした断熱材です。
防火・耐熱性、撥水性、耐久性、防音・吸音性に優れ、床・壁・天井など住宅のほとんどの部位に使用することができます。

ポリスチレンフォーム

ポリスチレンフォームは細かな独立気泡で発砲された耐吸湿・耐久水性の高い断熱材です。他のボード状の断熱材に比べて柔軟性が高く、壁や柱の間にも使用しやすいのが特徴です。

 

断熱方法による効果の違い

鉄筋コンクリートのマンションの断熱方法には内断熱工法と外断熱工法の2種類があります。

内断熱工法

内断熱構造はコンクリートの内側に断熱材を入れる工法です。
コンクリートの温度は外気の影響を受けるため、結露が発生しやすいです。
そのため、結露が原因となるカビやダニが発生することもあります。

外断熱工法

外断熱構造の場合、コンクリートの外側に断熱材を入れます。
そのため、コンクリートが外気の影響を受けにくく、1年を通して大きな温度変化がありません。
この工法であれば屋内と屋外の温度差によって生じる結露の発生を防ぐこともできます。

窓が熱を逃がしている可能性について

室内の熱は窓から逃げているのが1番多いです。
冬場に窓ガラスが結露するのはガラスの表面が冷やされるのが原因です。
特に窓の多い戸建住宅の場合、断熱されていても窓から熱が逃げているかもしれません。

冬場、暖めた室内の空気が室外に逃げてしまう原因の半分は窓からと言われています。窓は断熱性・省エネ性を高めるうえで非常に大切な部分です。もし、鉄筋コンクリート造で寒いと感じる方がいたら、窓ガラスをチェックしてもいてはいかがでしょうか。

 

まとめ

以上のように断熱材をきちんと施工し、窓などの対策を行えばRC住宅でも快適に暮らすことが可能です。

迷信に囚われずに、まずは情報収集をしてみてくださいね。