「デザイナーズ」と呼ばれる家やマンションの多くは、コンクリート打ちっぱなしであるかもしれません。木造の家と違い、大空間が作れるというポイントがそのメリットとして挙げられるコンクリート打ちっぱなし住宅。また、「防音」の面でも、その性能は木造の比ではありません。
しかし、いざ住む家のこととなると、打ちっぱなしによるデメリットも気になるところですよね。この記事では、打ちっ放し住宅のメリットやデメリットを解説します。
1.コンクリート打ちっ放し住宅のメリット
デザイン性
木造や鉄骨の家と異なり、形状を自由に造れるのがコンクリートの家です。まるでそこですぱっと切り落としたような壁面、なだらかな曲線―コンクリートの家だからこそ表現できるデザインは幅広いものです。他にはないこれらのデザイン性を求める方には大きなメリットと言えるでしょう。
防音
音は、空気や物質の振動を介して外部から内部へ、内部から外部へ届くことはご存知の通りです。木造や鉄骨(軽量鉄骨を含む)の家と比べ、コンクリートの家はその物質そのものの比重の高さから、音を通しにくいことは想像に難くありません。
このことから、シアタールームが欲しいとお考えの方、楽器演奏をご趣味とされている方にとっては有利な家と言えます。特に、地下室を設けることができるのであれば、この防音の面で更にメリットが見いだせるでしょう。
2.コンクリート打ちっ放し住宅のデメリット
熱伝導率が高い
素材そのもの(コンクリート)は、外気熱を室内に伝える「熱伝導率の高さ」から、夏は暑い・冬は寒い家となりがちです。これは素材そのものの問題ですから、「こういうものだ」と割り切る必要があるでしょう。もちろんこれにも対応策はあり、外断熱を施すことである程度このデメリットは排除することが可能です。
ですが、コンクリート打ちっぱなしの味を外観に活かせないケースも発生します。
汚れが目立ちやすい
コンクリートの特性として、どうしても雨染みやカビなどの汚れが付きやすいことが挙げられます。コンクリート打ちっぱなしの建物が定着し始めた、いわゆる「バブル期」に建てられたもののなかには、廃墟かと思ってしまうほど黒ずんでいるものもあるはずです。
もちろん、これを味わいとして受け止められれば良いのですが、そうでない場合は特殊な手当が必要です。
施工業者の腕が必要
コンクリートの家は、施工する技術者の腕ひとつでその出来・不出来が決まってしまいます。
あまり知られていないことのひとつに、コンクリートは温度管理がとても難しいことが挙げられます。
打設(型にコンクリートを流し入れる作業)の施工タイミングに合わせて工場から搬出しますし、現場で作業が手間取っているようならばミキサー車は木陰で現場に入る時間を見計らうことが必要なほど、コンクリートはデリケートなのです。
コンクリート打ちっぱなし住宅のメリット・デメリットはしっかり比較して
ここのところの住宅建て直し需要に乗って、地元密着の工務店でもコンクリートの家を「地震に強い家」として押し出すテレビCMを打っているところがあります。
せっかく強い家ならば、ちょっとスタイリッシュにということでコンクリート打ちっぱなしの住宅を希望される方もいらっしゃるでしょう。
「コンクリート打ちっぱなしの住宅」は、もしかすると趣味性の高い家と言えるかもしれません。